核医学

核医学検査とは、放射性同位元素という放射線を出す少量の薬剤を静脈注射や経口的に体内に取り込み、体内から放出される放射線を画像化する検査です。
CTやMRIによる形態画像とは異なり、臓器・組織の生理学的機能情報や代謝情報を画像化し、治療方針の決定や効果判定を行うことができます。
当院は令和6年3月現在でSPECT/CT装置1台、SPECT装置2台、PET/CT装置1台が稼働しています*。
シンチグラフィー・SPECT検査は骨シンチグラフィー、心筋シンチグラフィー、脳血流シンチグラフィー等、様々な検査法があります。PET検査はブドウ糖の代謝を評価するFDG-PET検査が主で、悪性腫瘍の評価の他にも、難治性てんかん・心サルコイドーシス・血管炎の診断を行っています。令和6年度からはアミロイドPET検査にてアルツハイマー型認知症の診断を行っています。

当院では核医学治療も行っており、アイソトープ病棟には3部屋の個室があります。 核医学治療は静脈注射や経口的に取り込まれた放射性医薬品が病巣に選択的に集まり、治療を行います。放出される放射線の飛程距離は短いため、周囲の正常組織へのダメージは最小限となります。当院では、バセドウ病・甲状腺分化癌に対するI-131治療、前立腺癌骨転移に対するRa-223治療、そして令和6年度から神経内分泌腫瘍に対するPPRT(peptide receptor radionuclide therapy:ペプチド受容体放射性核種療法)治療を行っています。

I-131治療
I-131治療

また、長崎大学病院放射線科では人工知能を用いた心臓核医学検査・骨シンチグラフィーの評価、心アミロイドーシスにおけるピロリン酸シンチグラフィーの有用性、食道癌におけるFDG−PETに関する研究等を主に行っています。詳細は研究業績を参照ください。

*当院の核医学装置
SPECT/CT装置:Symbia Pro.specta(シーメンス社)
SPECT装置:Symbia EvoExce(シーメンス社)、デジタルガンマカメラ GCA-9300R(キャノン社)
PET/CT装置:Cartesion Prime(キャノン社)